大学について考えるブログ

大学教育と教学運営に関心をもつ方へ

BI〔Business Intelligence〕ツールについて

個人的なことですが、先週、パソコンのソフトウェア「Tableau(タブロー)」の初心者向け講習会に参加しました。Tableauとは、直感的な操作でデータのビジュアル化を行えるソフトウェアで、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールの一種です。 BIが大学…

IDE大学協会のセミナーについて(2019年度)

IDE大学協会は、冊子『IDE 現代の高等教育』で知られていると思いますが、これから各地区で開催されるIDE大学セミナーについて紹介します。 ・北海道支部 8/30(金)「学修成果の可視化をめざして」 ・東北支部 11/18(月)「学修の成果・時間と単位制…

障害をもつ人のための大学について

先日の参議院選挙で、重い障害をもつ候補者の当選が話題になっていましたので、障害者と大学について考えてみました。 あまり知られていないことかもしれませんが、視覚・聴覚に障害をもつ人のための大学として筑波技術大学(国立大学法人)があります。筑波…

夏の学会(8~9月)について

この夏の学会(年次大会)で、大学教育に関するものをいくつか紹介します。 学会といえば以前は研究者の集まりでしたが、近年は実務者の会員の割合が増加している学会もあります。また、記念シンポジウム等を一般に開放している学会も最近は多いようです。 …

国立大学職員の給与水準について

有名私立大学の職員の給与が比較的高い水準にあることは、この業界では広く知られていることではないでしょうか。もっとも私立大学といっても千差万別で、私立大学という枠で給与水準を説明することは困難です。 国立大学の場合は大学間でほとんど差はなく、…

大学生の不登校について

最近、ひきこもりに関するニュースが頻繁に採り上げられています。 大学生の不登校について公式な文書で初めて本格的にふれられたのは、平成12年(2000年)の「廣中レポート」ではなかったかと思います。 大学生の不登校やひきこもりの実態把握に関する調…

大規模私立大学における合格者数の抑制について

前回に続き入試の話題です。 ここ数年の大学入試では、大都市の大規模私立大学を中心に合格者数を抑制する動きが強まった影響で各所に混乱が生じていることが新聞等のニュースで採りあげられています。模試判定の確実性の低下、受験生の安全志向による中堅大…

国立大学における英語資格・検定試験の入試での活用予定について

国立大学の一般選抜(2021年度入学者選抜)における英語資格・検定試験の成績情報の活用状況(予定)が公表されています。 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1417592.htm それによると、出願資格としてのみ活用するか、点数化して加点する…

学芸員養成課程について

先月、このブログで大学博物館について書きましたが、博物館に専門的職員として配置されるのが学芸員であり、その学芸員の資格(国家資格)は主に大学の学芸員養成課程を経ることで取得できます。 現在、学芸員養成課程をもつ大学は295校、短期大学は8校…

学校教育法等の一部を改正する法律について

現在開催中の国会で、5月10日に「大学等における修学の支援に関する法律」、いわゆる大学無償化に関わる法律が成立したのに続き、大学に関するもう一つの法律「学校教育法等の一部を改正する法律」が5月17日に成立しました。 *大学等における修学の支…

ファシリティ マネジメントについて

日本私立大学連盟『大学時報(隔月刊)』の3月号(No.385)の特集は、「『進化するキャンパス』」でした。『大学時報』No.378(2018年1月)では「大学の緑地管理」の小特集が組まれるなど、立地も含め、魅力あるキャンパス作りは、特に私立大学にとって大…

大学博物館について

現在、社会に開かれた大学を特徴づける施設として大学博物館が挙げられると思います。多くは一般にも開放されており、観光地になっているところもあるようです。 大学博物館の数は調査方法によりまちまちですが、少なくとも数百以上はあり、年々増えているよ…

専門学校について

前回、4月に開学した専門職大学(専門職短期大学)について書きましたが、どれも専門学校を母体として誕生しています。今後設置される専門職大学もその多くは専門学校を基盤にしたものとなることが予想されています。 そもそも専門学校とは、専修学校の専門…

4月に開学した専門職大学・専門職短期大学について

平成31年度開学に向けて専門職大学13校(同一法人による5校を含む。)、専門職短大3校が設置申請を行ったと、以前このブログで書きました。しかしながら、開学時期を1年延ばすなどの理由から申請を取り下げる大学が相次ぎ、結局、この4月に開学した…

『大学職員論叢』について

3月、大学基準協会から『大学職員論叢』第7号が発行されました。『大学職員論叢』の創刊は、平成25年(2013年)で、その後、毎年1冊発行されています。 https://www.juaa.or.jp/publication/about/article.html テーマを大学職員に限定した雑誌は、他に…

6月の学会(大学教育学会、高等教育学会)について

昨年も同時期に同じような案内をしましたが、6月上旬、大学教育に関する2つの学会の年次大会が開催されます。 ・大学教育学会〔第41回大会〕 6月1日(土)、2日(日)玉川大学 http://daigakukyoiku-gakkai.org/site/conference/conferenceinfo/ ・日本高…

学位記授与式(卒業式)について

3月下旬は、多くの大学で学位記授与式(卒業式)が行われていることと思います。 現在では、9月にも卒業式を開催する大学も珍しくありません。その根拠は、学校教育法施行規則第163条第2項に「大学は、前項に規定する学年の途中においても、学期の区分に…

AUA(英国大学アドミストレーター協会)について

英国の大学アドミニストレーターの職能団体AUA(Association of University Administrators)の年次総会及び展示会が、4月15、16日、マンチェスター大学で開催されるそうです。 https://aua.ac.uk/ AUAは、1961年に設立された大学教務職員会議M…

生涯学習について

前回、放送大学について書きましたが、放送大学は生涯学習(lifelong learning)の機会を提供する代表的な機関の一つと言えます。 生涯学習については、教育基本法第3条で「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯…

放送大学について

例年、この時期、オープン・エデュケーション・コンソーシアムによるオープン・エデュケーション・ウィークが開催されています。https://www.openeducationweek.org/ 日本のオープン・エデュケーションを代表する機関として、放送大学が挙げられるでしょう。…

高等教育関係のイベント(3月)について

この3月に開催される高等教育関係のイベントをいくつか紹介します。 ・大学評価学会〔第16回全国大会〕 3月2日(土)、3日(日)神戸大学/六甲台キャンパス http://www.unive.jp/taikai/dai16/dai16taikai.pdf [PDF] ・FDフォーラム(大学コンソーシア…

大学設置基準の改正(工学系学部の教育課程に関する特例)について

昨年(平成30年)6月29日に公布・施行された、大学設置基準の一部を改正する省令において、「工学に関する学部の教育課程に関する特例(新11章)」が追加されました。 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1407810.htm 以下のウェブページに、改…

「学校法人制度の改善方策について」について

平成29年5月の私立大学等の振興に関する検討会議「議論のまとめ」を踏まえ、このほど、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会学校法人制度改善検討小委員会が取りまとめた「学校法人制度の改善方策について」が公開されました。 *私立大学等の振興に関…

学歴社会について

昨年11月、日本研究で著名な英国の社会学者ロナルド・ドーア(1925-2018)が亡くなりました。日本社会の様々な領域の分析を行っていますが、学歴社会の比較研究でもよく知られています。 ドーアは、学校の教育機能が社会的選抜機能によって取って代わられ…

「高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)」について

今月、文部科学省から「高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)」が公表されました。 http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1413322.htm 大学改革に関して、高等教育機関へのアクセスの確保、大学教育の質保証・向上、研究力向上、教育研究…

平成30年度教職課程再課程認定の結果について

昨年度、このブログで教職課程の再課程認定について書きましたが、平成30年度の結果が中央教育審議会の部会資料として公開されていますので紹介します。 *平成30年度課程認定大学等一覧【再課程認定】 http://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/01/141297…

キャリア・アンカーについて

前回、URA(大学におけるリサーチ・アドミニストレーター)について書きましたが、そもそもどのような経歴の人がURAになっているのでしょうか。 ある調査によると、URAの前職(所属組織)は、大学等56.0%〔事務系職員21.8%、教育職・研究職18.9%…

URAの質保証(認定制度)について

文部科学省において、URA(大学におけるリサーチ・アドミニストレーター)の質保証(認定制度)について検討が行われ、昨年9月、「リサーチ・アドミニストレーターの質保証に資する認定制度の導入に向けた論点整理」としてまとめられました。 http://www…

文部科学関係予算(案)について

昨年末、政府の平成31年度(2019年度)予算案が閣議決定され、文部科学関係の予算総論が文部科学省のウェブページに公開されました。 http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h31/1408722.htm 国立大学に関しては、運営費交付金等はほぼ横ばい(1兆970億5500…

国際人権規約(高等教育関係)について

今月のブログで、大学の無償化や学生納付金にふれたので、大学の費用負担に関する国際的な規定にも言及したいと思います。 1948年の世界人権宣言において、高等教育の機会均等(第26条)がうたわれていますが、「宣言」を条約化した国際人権規約(1966年)…