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研究評価について

 昨日、研究不正についてふれましたが、研究者の不正行為の背景、もしくは直接的な要因として、研究評価の仕組みや在り方の課題があげられることがあります。


 本年4月、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(文部科学大臣決定)の改定がありました。 今回の改定は、第5期科学技術基本計画を踏まえた「国の研究開発評価に関する大綱的指針」の改定(平成28年12月)を受けたものです。
 この評価指針は、研究開発プログラムや研究開発機関が主な対象になっています。国立大学においては、国立大学法人法の前提はありますが、この評価指針を参考に法人評価が実施されることになります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/hyouka/main11_a4.htm

 
 研究評価の場面で盛んに言及される用語に「インパクト・ファクター」があります。これは、掲載されている論文の引用数をもとに雑誌の影響度を測る指標で、トムソン・ロイター社(旧ISI:Institute for Scientific Information)の引用文献データベース「Web of Science」から算出されます。

 インパクト・ファクターは、購入雑誌の選定資料などに用いるのが本来の利用法で、研究者個人の業績評価に流用するのは問題が多いとされています(考案者のガーフィールド自身も指摘しています)。

 

 そもそも研究評価には、どのような方法、方式があるのでしょうか。以下の書籍では、単純な数字では表現できないことが多いことを前提としつつ、数々の指標の有用性や課題を検討してあります。

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根岸正光、山崎茂明編著『研究評価 -研究者・研究機関・大学におけるガイドライン』(丸善、2001年)