大学について考えるブログ

大学教育と教学運営に関心をもつ方へ

大学のキャンパスについて

 この9月、日本学術会議から、「我が国の大学等キャンパスデザインとその整備システムの改善にむけて(提言)」(平成29年9月29日)が公表されました。キャンパスデザイン及びキャンパス整備にあたっての組織・システムの課題を指摘し、その改善方策が提言されています。

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t252-1.pdf

 美しく、機能的なキャンパスは大学の魅力の重要な部分です。しかし、日本の大学でキャンパス作りに成功していると評価される大学はそう多くはないように思います。空いた土地に脈絡なく建物を建てていったとしか思えないキャンパスも数多くみられるのではないでしょうか。

 

 米国のケネディ大統領は、アメリカン大学の卒業式での講演(1963年)のなかで、メイスフィールド(1878-1967、英国の詩人)を引用し、大学のキャンパスの"美しさ"を話題にしました。関心のある方は、以下のURLをご覧ください。https://www.jfklibrary.org/JFK/Historic-Speeches/Multilingual-American-University-Commencement-Address/Multilingual-American-University-Commencement-Address-in-Japanese.aspx

 

 多くの大学(高等教育機関)で、キャンパスは戦前から戦後に引き継がれ、現在のキャンパスの母体となっています。以下の書籍では、明治期の大学キャンパスの成立過程を丹念に追ってあります。

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宮本雅明『日本の大学キャンパス成立史』(九州大学出版会、1989年)