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「スーパーグローバル大学創成支援事業」について

 『教育の世紀 -学び、教える思想』(弘文堂、2004年)でサントリー学芸賞を受賞した教育社会学者の苅谷剛彦氏が、新著『オックスフォードからの警鐘 -グローバル化時代の大学論』(中央公論新社、2017年)のなかで、文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」を俎上に載せ、日本の大学のグローバル化を論評しています。

 「スーパーグローバル大学創成支援事業」とは、国際競争力向上のための改革を進める大学を重点支援する事業で、平成26年度に開始されました(最大10年間)。タイプA(トップ型)に13大学、タイプB(グローバル化牽引型)に24大学が採択されています。
https://tgu.mext.go.jp/
https://www.jsps.go.jp/j-sgu/日本学術振興会のページ)

 本年度は、事業4年目にあたり、最初の中間評価が実施されます。各大学の担当者は、情報の整理、評価書の作成、訪問調査の準備等、対応に尽力されていることと思います。特に、英語による授業科目数、単位取得を伴う海外留学経験者数、テニュアトラック対象者数等、非常に多くの成果指標の提出が求められるため、大学をあげてデータの収集に取り組む必要があり、その点が担当者の苦労の主な要因になっているのではないでしょうか。

 スーパーグローバル大学創成支援事業の前身とも言えるのが「大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業(グローバル30)」〔※開始当初の名称は「国際化拠点整備事業」〕で、13大学に対し、5年間(平成21~25年度)の支援が行われました。

 

 本文中で参照した書籍です。”和製グローバル化”の問題点を指摘してあります。

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『オックスフォードからの警鐘 -グローバル化時代の大学論』(中央公論新社、2017年)