大学について考えるブログ

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大学出版部について

 大学が社会との接点をもつ重要な方法の一つとして、出版という形態があります。今日、出版業界全体としては低迷期にあると言われていますが、その一方で、出版部をおく大学が増加しています。現在、筆者が確認できる範囲だけでも、国内に50ほどの大学出版部があるようです。


 大学出版部の起源は、オックスフォード大学ケンブリッジ大学の出版部にあり、約500年の歴史があります(それぞれのウェブページに、その歴史に関する概説が載っています)。また、米国の有力大学が確固たる出版部を有しているのは周知のことかと思います。

オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)
 http://global.oup.com/?cc=ca
ケンブリッジ大学出版局(Cambridge University Press)
 http://www.cambridge.org/
*米国大学出版部協会(Association of American University Presses)
 http://www.aupresses.org/


 日本の大学出版部の嚆矢となったのは、明治5年(1872年)に設立された慶應義塾出版局(慶応義塾大学出版会(昭和22年設立)の前身)とされています。先にも述べたように、今日では多くの大学出版部が設立されていますが、一般に大学出版部が認識されることは多くないように感じます。
 国内30の大学出版部が加盟する団体として、大学出版部協会(昭和38年設立)があります。協会が発行する雑誌「大学出版」は、現在ではウェブ上でも読むことができます。

*大学出版部協会
 http://www.ajup-net.com/

 

 以下の書籍では、大学出版部協会の歴史とともに、加盟する各大学出版部の概要も掲載してあります。 

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『大学出版部協会 50年の歩み』(大学出版部協会、2013年)