初年次教育について
現在、ほとんど全ての大学で、高校から大学へのスムーズな移行を促す教育、いわゆる初年次教育が実施されていることと思います。初年次教育の内容として代表的なものは、アカデミック・スキル、情報リテラシー、キャリア・デザイン、自校教育等があります。
日本で初年次教育の導入が始まったのは、2000年頃とされています。この時期は、多くの大学で教養部が廃止されており、また、学生の多様化が進んでいました。
2008年(平成20年)には、初年次教育学会が設立されています。9月には、以下のとおり年次大会が開催されます。
・初年次教育学会〔第11回大会〕
9月5日(水)、6日(木)酪農学園大学(北海道江別市)
http://www.jafye.org/conf/conf2018/
日本よりいち早く学生の多様化が進んでいた米国では、1970年代後半以降、初年次教育(First Year Experience)が始まったとされています。初年次教育は、新入生を大学教育に適応させる(中退を予防する)効果が高いとされ、米国の外にも広まることになりました。
初年次教育の射程が定まるようになると、補習教育(リメディアル教育)とは、明確に区別されるようになりました。
大学1年生のためのアカデミック・スキル(リーディング、ライティング、プレゼンテーション、調査・情報収集、グループワーク等の基本的な技能)に関するテキストが数多く出版されています。各大学のオリジナル版のテキストが市販れてることも珍しくありません。
学習技術研究会『知へのステップ ー大学生からのスタディ・スキル(第4版)』(くろしお出版、2015年)