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学歴社会について

 昨年11月、日本研究で著名な英国の社会学ロナルド・ドーア(1925-2018)が亡くなりました。日本社会の様々な領域の分析を行っていますが、学歴社会の比較研究でもよく知られています。

 ドーアは、学校の教育機能が社会的選抜機能によって取って代わられる、学歴偏重社会を近代の"文明病"とし、特に近代化の開始が遅い国ほどその傾向が顕著であると指摘しました。

 

 日本がどの程度学歴社会であると言えるかは議論のあるところのようです。学歴と社会的地位の関係、学歴インフレの進行、受験競争の激化など、学歴社会の要素を国際比較すると、必ずしも日本だけが突出した学歴社会であるとは言えないようです。

 

 本文中で説明したドーアの書著で、日本以外の多くの国も分析対象とされています。1978年の出版ですが、その後、同社から何度も再版されています。

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ロナルド・ドーア『学歴社会 新しい文明病』(岩波書店、1978年(原著1976年))