私立大学の授業料について
10月27日開催の第2回「人生100年時代構想会議」(首相官邸)での議論が新聞等でも大きく採り上げられているように、昨今、俄かに高等教育の無償化や負担軽減の議論が活発になっています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai2/siryou.html
しかし、そもそも、大学の授業料はどのような根拠によって決まっているのでしょうか。
広島大学の丸山氏の調査によると、私立大学の授業料の設定に係る要因を明確に説明するのは困難であるとして、「私立大学は、学生の教育、教員の研究にどのくらいの経費がかかり、大学の管理運営にいくらかかるかを計算して、授業料を設定するのではなく、国立大学を含めて他大学の授業料水準を見ながら、自らの水準を決定すると考えてもそれほど間違いではないだろう。」(『大学の財政と経営』117ページ)と述べています。
本文中で引用した書籍です。2001年以降の著者の論文や講演録をまとめてあります。
丸山文裕『大学の財政と経営』(東信堂、2009年)
米国の大学経営に関わる理事と財務担当者向けに財務運営の基本的な考え方を解説してあり、授業料の設定についてもふれられています。ウィリアム・リード『財務からみた大学経営入門』(東洋経済新報社、2003年(原著2001年))