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日本技術者教育認定機構について

 日本技術者教育認定機構(JABEE:Japan Accreditation Board for Engineering Education)は、大学や高等専門学校等の高等教育機関の技術者教育プログラムを審査、認定(認定プログラム修了者は、技術士の第一次試験が免除されます。)する団体で、平成11年(1999年)に設立されました。
https://www.jabee.org/
 平成31年度には、7年ぶりに認定基準の改定が予定されており、現在、改定案に関するパブリックコメントが募集されています(11月末まで)。
https://www.jabee.org/news/20171031/4311/

 

 米国では、19世紀には、土木、鉱山・冶金、機械、化学工業、電気等のエンジニアの同業者団体が登場していました。1932年、それらの同業者団体がECPD(Engineers' Council for Professional Development )を結成し、今日のABET(Accreditation Board for Engineering and Technology )に繋がっています(1980年に名称変更)。
http://www.abet.org/

 また、1989年には、エンジニア教育の認定団体の国際協定であるワシントン協定(Washington Accord)が発効し、JABEEは2005年に加盟しています。
http://www.ieagreements.org/accords/washington/

 

 筆者が入職したとき(今から10年以上前)、JABEEの認定基準やその読み方から、「教育プログラム」の考え方の多くを学びました。現在では、JABEEへの対応を含め、技術者倫理のテキストも多数出版されるなど、技術者教育の充実が図れれています。

 さらに、技術者とは何かを考えるとき、工学/技術の歴史や技術者の系譜を理解することが必要でしょう。以下の書籍は、岩波講座「現代工学の基礎」所収の『工学の歴史』を増補、再刊したものです。

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村上陽一郎『工学の歴史と技術の倫理』(岩波書店、2006年)

 

 以下の書籍は、技術の現場からの告発を集めたものです。半世紀前の本ですが、今日の状況とどれほどの違いがあるでしょうか。第8,9章で大学(特に理工系)をとりあげています。個人的には、第10章の宇井純論を興味深く読みました。

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星野芳郎編『日本の技術者 -合理化と近代化の嵐に抗して』(勁草書房、1969年)