自校(史)教育について
以前(2/25)、大学史研究会について書きましたが、最近では多くの大学が、自大学の歴史への関心を高めているようです。その大学の設立の経緯や発展の歴史、社会的役割などをテーマに正課の授業科目を開講する、いわゆる自校(史)教育を実施する大学が増えています。大学もアイデンティディ意識を高める必要性を自覚するようになったと言えそうです。
管見する限り、日本の大学における自校(史)教育の端緒は、1990年代後半頃から、私立大学では、立教大学、明治大学、関西学院大学等、国立大学では、九州大学、広島大学、名古屋大学等による先行的な取組だったように記憶しています。
個別大学の歴史の編纂という枠を越えて、他大学との関連や保存資料の社会的利用に関して、情報交換や研究会を行う全国大学史資料協議会が、平成8年(1996年)に設立されています。
*全国大学史資料協議会
http://www.universityarchives.jp/
自校(史)教育と言っても、何の目的で誰がどのような立場で教えるかにより、内容やスタイル(オムニバス形式ほか)は多様です。自校(史)教育を始めるにあたっては、まずは他大学のテキストが参考になるでしょう。以下の書籍は、実際に各大学で使用されているテキストです。
新谷恭明、折田悦郎編『大学とはなにか 九州大学に学ぶ人々へ』(海鳥社、2002年)