大学について考えるブログ

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文部科学大臣と学校教育法第3条について

 先日の内閣改造により文部科学大臣の交代がありました。平成13年(2001年)1月の省庁再編により誕生した文部科学省ですが、今回で20人目の大臣となります。

 文部科学省の長である文部科学大臣には、大学の設置許可や基準制定に関する権限があるとされています。その根拠は、学校教育法第3条に「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない」とあるためです。従前、「文部科学大臣」の箇所は「監督庁」とされ、附則で、当分の間、文部(科学)大臣とされていましたが、平成11年に現在のたかちに改められました。

 

 大学設置基準の省令化の是非をめぐっての議論はありますが、その権限が文部科学省にあることは学校教育法のうえでは整合的であると判断されています。文部省が大学設置基準を制定・公布したのは、昭和31年(1956年)ですが、それに至る過程は以下の書籍で詳しく追ってあります。田中征男(1944-2013)の代表作とみなされてる本です。

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田中征男『戦後改革と大学基準協会の形成』(大学基準協会、1995年)