「教学マネジメント指針」について
先月開催された中央教育審議会大学分科会教学マネジメント特別委員会(第12回)において、「教学マネジメント指針(案)」が示されました。(大筋で了承されたとのことです。)
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/12/000002840.html
このなかで、教学マネジメントは「大学がその教育目的を達成するために行う管理運営」と定義され、これまでの中教審答申等で示された大学の教育改善に関連する手法が教学マネジメントという観点から一元的に例示されています。
目次は以下のとおりです。
Ⅰ 「三つの方針」を通じた学修目標の具体化
Ⅱ 授業科目・教育課程の編成・実施
Ⅲ 学修成果・教育成果の把握・可視化
Ⅳ 教学マネジメントを支える基盤(FD・SDの高度化、教学IR体制の確立)
Ⅴ 情報公表
今回の「指針」によって、直ちに大学に新たな義務が追加されるということはないようです。大学設置基準の見直しについては、今後設置される部会において議論される予定になっています。
大学の教育改善に関して、中教審の答申を例に出すまでもなく、同じような指摘が繰り返されているように誰もが感じているのではないでしょうか。
教育改善の個々の取組の実施はそれほど難しいものではないとしても、それらを全体として機能させることは容易ではありません。このような実状は、大学関係者なら実感をもって理解できることだと思います。
大学のこのような実情を深く理解するには、組織としての大学を理解する必要があると思います。最近、大学の組織論や運営に関して新たなテキストが加わりました。
中島英博『大学教職員のための大学組織論入門』(ナカニシヤ出版、2019年)
中井俊樹編『大学の組織と運営(大学SD講座1)』(玉川大学出版部、2019年)