危機管理の三原則について
新型コロナウイルスの集団感染により、今月25日に始まる国公立大学の入学試験(前期日程)をはじめ、各大学の対応が次々と発表されています。
振り返ると、平成21年(2009年)の新型インフルエンザの流行で、学園祭等の不特定多数のひとが集まるイベントを中止する大学があったことが思い起こされます。
感染症対策、そして阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)の発生などにより、大学の危機管理への対応がクローズアップされるようになったと感じます。また、留学生の受け入れや日本人学生の海外派遣が増えるにつれて、これまで以上にトラブル対応が必要になったことなどの影響も考えられます。
危機管理の三原則は、防止・回避のための事前方策 (危機の回避)、被害の最小化(危機管理)、通常体制への復帰と再発防止(事後対応)とされています。
新型コロナウィルス対応は、現在、危機の回避の段階でしょうか。
東日本大震災に際し、大学がとった対応や見えてきた課題について国立大学協会がまとめた冊子がウェブ上に公開されています。
『東日本大震災と大学の危機管理-被災した国立大学から学ぶ-』(国立大学協会、2011年)
https://www.janu.jp/univ/shinsai/pdf/201112shinsai.pdf
以前も紹介しましたが、文部科学省のウェブページで、冊子『リスクコミュニケーション案内』が公開されています。
昨秋に出版された大学SD講座シリーズ3の以下の書籍のなかでも危機管理に関する大学職員の業務について1章が割かれています。
中井俊樹・宮林常崇編『大学業務の実践方法(大学SD講座3)』(玉川大学出版部、2019年)