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学術振興会の特別研究員について

 前回、学術振興会(学振)について書きましたが、研究者にとっての学振は、まず科研費を中心とする競争的資金を連想させると思います。一方、 大学院生にとっての学振とは特別研究員のことを指していると言ってもいいと思います。

 

 学振の特別研究員とは、博士(後期)課程の大学院生もしくは博士課程修了者に対して、研究奨励費(生活費)と研究費を支給するもので、研究に専念できる環境を整え、優れた研究者を養成することを目的とした制度です。その主な種類には、博士後期課程の大学院生を対象としたDC1(進学前に申請し3年間採用)およびDC2(進学後に申請し2年間採用)、博士課程修了者を対象としたPD(3年間採用)などがあります。学振の特別研究員に採用されると、その後の研究者ポストの獲得に有利にはたらくと考えられています。

https://www.jsps.go.jp/j-pd/index.html

 因みに本年度の採択状況は、DC1が720人(採択率19.4%)、DC2が1094人(同19.3%)、PDが363人(同19.6%)となっており、なかりの難関と言えます。

 

 現在の特別研究員の制度は昭和60年(1985年)に始まったものですが、それ以前にも奨励研究員(昭和34年)、特定領域奨励研究員(昭和50年)、大学院博士課程奨励研究員(昭和51年)などの制度の整備が徐々に進んでいました。
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318486.htm