大学について考えるブログ

大学教育と教学運営に関心をもつ方へ

プレFD(PFFP)について

 旧聞に属する話かもしれませんが、昨年の大学院設置基準の改正で、博士後期課程の学生への、いわゆるプレFDの実施(情報提供)が努力義務となりました。

https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1420657.htm

 

 具体的には、以下の条文が加わりました。

(学識を教授するために必要な能力を培うための機会等)
第四十二条の二 大学院は、博士課程(前期及び後期の課程に区分する博士課程における前期の課程を除く。)の学生が修了後自らが有する学識を教授するために必要な能力を培うための機会を設けること又は当該機会に関する情報の提供を行うことに努めるものとする。

 

 プレFDはPFFP(Preparing Future Faculty Program)とも呼ばれ、大学教員を目指す大学院生を対象にした、特に教育に関する能力開発を指しています。現在では、旧帝大をはじめとした、大学院生の多い研究大学を中心に実施されています。

 大学教員の養成は研究室単位での活動に過度に依存していると言われていました。その反省から大学が組織的に大学教員としての能力を育成することが求められているという背景があるようです。

 

 平成20年(2008年)の中央教育審議会答申『学士課程教育の構築に向けて』において、「教育研究上の目的に応じて、大学院における大学教員養成機能(プレFD)の強化を図る」との言及がありました。その頃から、いくつかの大学で先行的な取組が行われていました。

 以下の書籍は、名古屋大学の大学教員準備プログラム(http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/service/grad/)の成果をまとめたテキストです。

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夏目達也、近田政博、中井俊樹、齋藤芳子『大学教員準備講座』(玉川大学出版部、2010年)