大学について考えるブログ

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就職活動の解禁について

 3月1日、来春卒業を予定している大学生の就職活動(就活)が解禁されました。選考は6月1日からとなっています。もっとも、このスケジュールは、経団連日本経済団体連合会)の指針であって、形骸化しているとの指摘もあります。 

・採用選考に関する指針(経団連
 http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/030.html


 就職活動によって学生が学業に専念できない期間が長引くことに、大学側からは常に懸念の声があります。
 一方で、卒業時に多くの学生の進路が決まっていることは日本の大学の特徴(最大の長所の一つと言えるかもしれません。)であり、就活を重視せざるを得ない事情もあります。

 

 平成8年(1996年)まで存続した「就職協定」を知っているのは、もはや40代以上の人でしょうか。採用スケジュールの頻繁な変更は今に始まったことではありません。

 卒業前の就職活動が定着したのは案外古く、高等教育が拡大し、大戦景気にわいた大正期だと言われています。それでは、リクルートスーツが登場したのはいつ頃でしょうか。以下の書籍では、昨今の就活事情のルポを中心に、就職活動の社会史もとりあげています。

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石渡嶺司『就活のコノヤロー』(光文社、2013年)