大学について考えるブログ

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個人情報保護法の改正について

 5月30日、平成27年9月に成立した改正個人情報保護法が全面施行されました。平成15年に個人情報保護法が成立して以来の大規模な改正になります。

 改正のポイントはウェブ上で簡単に確認できるので、詳細はそれらに譲りたいと思います。(例えば、以下の3ページ目にまとめられています。)
 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/151117_tf1_s4.pdf

 

 個人情報保護の強化を図ると同時に加工情報の活用を促進することが意図されているようですが、大学を管理運営する立場の職員にとっての最も大きな変更点は、これまでの主務大臣制が廃止され、個人情報保護委員会に監督権限が一元化されることかもしれません。つまり、この件について、文部科学省から大学の事情に特化したガイドライン等の指針が示されることはなくなりました。大学は、個人情報保護法改正の趣旨を踏まえ、学内規則の改定や運用の見直しを独自に進めることが求められます。

 

 各大学において、滞りなく規則や規程を整備するのは案外難しいものです。法律や省令等の最新の知識に加え、自大学に関する認識や法令用語を駆使する技能などの複合的な能力が必要になるからです。
 大学職員が、法令用語を正しく理解、また、解釈し、学内の規則等を作成するため、以下の類の本を手元に置いておくと便利です。

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吉田利宏『新法令用語の常識』(日本評論社、2014年)、同『新法令解釈・作成の常識』(日本評論社、2017年)