大学について考えるブログ

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短期大学の現状について

 先日、名門と言われる女子短期大学の学生募集停止のニュースが話題になりましたが、短期大学の現状は厳しいものがあるようです。ピーク時(平成5年度)には53万人(530,294人)を数えた学生数も、昨年(平成28年度)は13万人弱(128,460人)にまで減少しています(数値は「学校基本調査」から)。

 

 そもそも短期大学は、戦後の学制改革における暫定的な措置として、昭和24年(1949年)の学校教育法改正により発足しました。昭和39年(1964年)に恒久的な制度として確立し、昭和50年(1975年)には短期大学設置基準が制定されています。

 これからの短期大学の役割については、中央教育審議会生涯学習について(答申)」(昭和56年6月11日)や大学審議会「21世紀の大学像と今後の改革方策について ―競争的環境の中で個性が輝く大学―(答申)」(平成10年10月26日)などで、職業人の再教育を含めた、地域と密着した生涯学習の機会の提供等が提言されています。
 日本私立短期大学協会からは、「短期大学教育の再構築を目指して ―新時代の短期大学の役割と機能―」(平成21年1月16日)が発表されています。
http://www.tandai.or.jp/kyokai/10/archives/000656.html

 なお、平成6年には、短期大学基準協会(平成17年から認証評価機関)が設立されました。
http://www.jaca.or.jp/

 

 現在、特に女子の高等教育機関として発展してきた短期大学の存在意義が問われています。もっとも、存在意義が問われているのは、短期大学に限らず、大学を中心とした高等教育機関全体であるとも考えられます。

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舘昭編『短大からコミュニティ・カレッジへ ―飛躍する世界の短期高等教育と日本の課題』(東信堂、2002年)