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指定国立大学法人の指定について

 6月30日、第3期中期目標期間(平成28~33年度)における指定国立大学法人の指定について発表がありました。

 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/06/1387558.htm

 

 指定国立大学とは「教育研究水準の向上とイノベーション創出を図るため、文部科学大臣が世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を指定国立大学法人として指定」し、「その研究成果を活用する事業者への出資、中期目標に関する特例等」を認めるものです。

 今回、東北、東京、東京工業、一橋、名古屋、京都、大阪の7大学から申請があり、東北、東京、京都の3大学が指定を受けました。残りの4大学は「指定候補」として取り扱われます。

 

国立大学法人法の一部を改正する法律案

 http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/1367544.htm

 

 指定国立大学法人は、申請自体厳しい条件がつき、旧帝大でも申請できない大学もあった模様です。

 中期目標に関する特例による効果(教育研究のパフォーマンスの向上、経営面での成果等)がどれほどのものか、未知数の部分も大きいと思いますが、国立大学のなかでも差別化の流れが緩まることはなさそうです。

 

 国立大学法人という仕組みを法律から理解するためには、以下のような詳細な解説書があります。

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国立大学法人法制研究会『国立大学法人法コンメンタール』(ジアース教育新社 、2012年)

 

 国立大学の現状を理解ために、法人化前に想定されていた新しい国立大学の在り方を知るのも一つの手がかりになるかもしれません。そもそも、国立大学法人の制度はどのように考えられていたのか、以下の冊子(ウェブにも公開されています)から概要がつかめます。

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『新しい「国立大学法人」像について(通称 グリーンブック)』(国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議、2002年)