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大学生の不登校について

 最近、ひきこもりに関するニュースが頻繁に採り上げられています。

 大学生の不登校について公式な文書で初めて本格的にふれられたのは、平成12年(2000年)の「廣中レポート」ではなかったかと思います。

 

 大学生の不登校やひきこもりの実態把握に関する調査や統計はあまり見ることができません。小学生、中学生、高校生の場合は、公式の不登校の定義や統計がありますが、大学生の場合は、誰かが出席を管理するわけはありません。また、大学生は自身の責任で大学に通っているという考え方も強く残っています。
 それでも大学生の不登校やひきこもりに関していくつかの調査は存在し、例えば以下の研究があります。

 

*「大学生に見出されるひきこもりの精神医学的な実態把握と援助に関する研究」(厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業『思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究』2009年)

http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=200935010B

 

 ここでの調査によると、不登校の学生は 0.7~2.9%(全国の大学生約280万人中2.0~8.1万人)、このうちアパシー状態にある学生が0.1~1.0%(約0.3~2.8万人)、ひきこもり状態にある学生が0.2~1.0%(約0.6~2.8万人)と推定されています。