大学について考えるブログ

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ユニークな大学スポーツの大会について

 夏季休暇期間を中心に多くの大学スポーツのイベントがありますが、一般の認知度は高くないながら、インカレ(全日本学生(大学)選手権)以外にも特定の大学グループによる大会が各地で開催されています。

 例えば、共通のルーツをもつ旧帝国大学(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州)による「全国七大学総合体育大会(七帝戦)」、旧商科大学(一橋、大阪市立、神戸)による「三商大体育大会(三商戦)」、また、専門分野別の大会では、医科大学(学部)の医科学生総合体育大会(東日本・西日本)、歯科大学(学部)の全日本歯科学生総合体育大会などです。上智大学南山大学による総合対抗運動競技大会(上南戦)はともにカトリック系大学ということから交流が始まっています。

 硬式野球のリーグ結成から始まった東京六大学慶應義塾、東京、法政、明治、立教、早稲田)は、今では野球以外の運動部や文化部の連盟や大会へと発展しています。

 

 七帝戦の発祥は、柔道部同士の交流にあります。旧七帝大の柔道部は、講道館ルールとは異なる高専柔道旧制高等学校旧制専門学校で行われた柔道。井上靖の『北の海』でも有名)を受け継いでおり、今では七帝柔道と言われる独自の柔道を行っています。1チーム15人の勝ち抜き戦、寝技を中心とするルールなどの特殊な柔道で、以下の書籍の著者のように、コアなファンがいるのも確かなようです。

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増田俊也『七帝柔道記』(角川書店、2013年)