大学の監査制度について
近年、企業の不正が明るみに出ると、俄かに監査の役割に注目が集まることがあります。当然ながら、大学にも監査制度は存在し、今般の制度改正により、監査の役割の強化が図られています。
私立大学では、公認会計士等の監査(私立学校振興助成法)、監事の監査(私立大学法)及び自主的な内部監査担当者の監査がそれぞれの目的のもと実施されています。
同じように、法人化後の国立大学では、会計検査院の監査(会計検査院法等)、会計監査人の監査(国立大学法人法において準用する独立行政法人通則法)、監事の監査(国立大学法人法)及び内部監査担当者の監査が実施されています。
監査は、実施する対象によって「会計監査」と「業務監査」に、実施する主体によって「外部監査」と「内部監査」に分けることができます。
大学の監査に関して、以下のような団体があり、監査機能の充実のための調査・研究や研修の機会の提供等の活動を行っています。
*大学監査協会
http://j-uaa.jp/
*国立大学法人等監事協議会
https://www.kanji-kyougikai.jp/
毎年、文部科学省による学校法人監事研修会も開催されており、その資料は公開されています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/007/1300090.htm
法人化直後から7年間、国立大学の監事を務めた著者による問題提起とも言える書籍です。監事監査の視点が中心ですが、大学の全体の仕組みや事務組織の課題にも言及してあります。
髙橋誠一『国立大学・法人化の幻想』(中央公論事業出版、2013年)