大学について考えるブログ

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日本学術振興会について

 先日、文部科学省から本年度の卓越大学院プログラムの選定結果が発表されました。

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/1420053_00003.htm

 この卓越大学院プログラムの審査には、日本学術振興会(学振)が関わっています。学振と言えば科学研究費助成事業(科研費)を連想される人が多いと思いますが、その他の学術の振興に関する様々な事業を実施しています。日本学術振興会法では、学振の目的を「学術研究の助成、研究者の養成のための資金の支給、学術に関する国際交流の促進、学術の応用に関する研究等を行うことにより、学術の振興を図ること」と定めています。

https://www.jsps.go.jp/

 

 学術振興会の起源は、昭和7年(1932年)まで遡ります。当時は、文部省の外部団体(財団法人)として、総合研究(軍事的または産業的に意義の高いテーマに関する大型プロジェクト研究)に資金を配分する機関であり、学術研究会議(学研)、帝国学士院と並び、戦前の学術行政を代表する存在でした。戦後、学振は民間団体として存続し、昭和42年(1967年)、文部省所管の特殊法人となり(日本学術振興会法の成立)、戦前と機関名こそ同一ですが、全く新しい機関に生まれ変わりました。平成15年(2003年)には、独立行政法人に移行しています。